平成30年6月6日施行の生産性向上特別措置法に基づく固定資産軽減と太陽光発電設備の事例を生産性向上特別措置法による太陽光発電設備の償却資産税軽減でご紹介しています。こちらの記事もご参照ください。
太陽光発電設備の経営力向上計画認定申請の際に必要となる工業会証明書取得の事例については経営力向上計画の申請と工業会証明書の入手でご紹介しています。こちらの記事もご参照ください。
この記事は平成28年秋頃に執筆を開始しました。その後、平成29年度税制改正があり、制度の内容が若干変わっています。変更点については追記しておりますのでご留意ください。
平成28年7月1日から中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画認定制度が開始されました。今回のブログ記事では、当方がお手伝いさせて頂いて認定まで至った事例について概要をご紹介します。
中小企業等経営強化法による「経営力向上計画認定」制度のご紹介
平成28年7月1日から中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画認定制度が開始されました。
経営力向上計画の認定を受けることにより
- 低利の制度融資の利用(金融支援)
- 保証協会等の保証の利用(金融支援)
- 機械装置の償却資産税を3年間50%軽減(税制優遇)
のメリットを取る事ができます。
(平成29年5月追記。平成29年度税制改正の「中小企業経営強化税制」の適用を受けるためには「経営力向上計画の認定」が必要です。また、固定資産税(償却資産税)の軽減措置の対象が機械装置以外にも拡大されています。申請書のフォームも税制改正に伴い若干改定があります。詳細は平成29年度税制改正の概要 (その2)中小企業経営強化税制①以下の記事をご参照ください。)
特に機械装置の償却資産税の50%軽減のメリットは経営者の皆様のご関心が高くよくお問い合わせを頂きます。よくお問い合わせ頂くのは
償却資産税の軽減を受けたいが経営力向上とは何か?何を申請書に書けばいいのか?
太陽光プラントでも利用できるのか
という事です。太陽光プラントを含め、実際に申請のお手伝いをさせて頂く事もできましたのでブログで経営力向上計画の認定について、特に固定資産税(償却資産税)の軽減を受ける場合のポイントとなりそうな点、太陽光設備の認定について調べた事を紹介します。
太陽光プラント設備は固定資産税(償却資産税)の軽減を受けられるか
結論から言うと固定資産税の軽減を受けられます。実はそのものズバリのQ&Aがあります。以下引用しますが、要約すると一定の太陽光発電設備について経営力向上計画認定はできる、しかし経営力向上にどう結び付くのか分かる様に記載して申請する必要がある。という事です。現在の中小企業等経営強化法 経営力向上計画に関するQ&A集において、
質問1(4):太陽光発電設備を取得する場合でも固定資産税軽減措置の適用を受けられますか。
回答:固定資産税の軽減の対象は、減価償却資産の耐用年数表の「機械及び装置」であって一定の要件(中略)を満たすものが軽減措置の対象となります。ただし、(中略)計画認定にあたっては、単に取得設備が上記要件に該当しているだけでなく、そうした設備や、技術、個人の有する知識及び技能等などの経営資源を、自社の事業活動において十分に利用して、経営力の向上を目指すことが分かるよう記載することが必要です。
と、されています。
平成30年12月4日追記、上記「中小企業等経営強化法 経営力向上計画に関するQ&A集」は内容が改定され、上記の質問と回答は削除されていますが太陽光発電設備の経営力向上計画認定は従前どおりです。
申請書に書く事。「経営力」とは何か
上記Q&Aの通り、太陽光プラント設備に限らず申請書において「経営力の向上」の内容を具体的に記載することが要請されています。
経営力の意義について申請の手引きが中小企業庁から発表されていて頻繁にアップデートされています。 手引きの6ページに申請書「経営力向上の内容」記載の説明があります。
記載の説明でポイントになるのは
- 事業分野別に経営力向上の指針がある
- 指針がある事業分野は指針に従う
- 分野別指針が無い業種は基本方針に従う
という事です。
経営力向上設備とは何か?経営力向上と優遇対象機械装置の関係(償却資産税50%軽減)
申請書には「経営力向上設備」の記載ですがここに、記載した機械装置(固定資産)の償却資産税が減免されます。しかし何でも対象になるわけではありません。「手引き」7ページでは以下の様に説明されています。
- 経営力向上計画達成に必要な一定の機械装置(「一定」については平成29年度税制改正の概要 (その4)中小企業経営強化税制③をご参照ください。)
- 「実施事項欄」に「経営力向上計画」の実施事項ごとの記号を記載
つまり、「経営力向上計画」に記載した事業分野別指針のどの項目を達成するために導入する機械装置なのか記載する必要があります。「経営力向上計画」の内容に記載した事とリンクした設備である事を認定ではチェックされるという事だろうと思われます。経営力向上計画の申請についての詳細は平成29年度税制改正の概要 (その4)中小企業経営強化税制③もご参照ください。
太陽光発電の機械装置の「経営力向上計画」認定について中小企業庁とのやり取り
実際のところ太陽光設備の認定についてどういう状況なのか、10月に中小企業庁に電話で相談してみたところ、親切にご対応していただくことができました。その際のやり取りもご紹介します。文章に起こすと固い感じですが実際のやり取りは非常にフランクに穏やかに進みました。ご対応いただいた方にはこの場を借りて謝意を表します。
(注、このやり取りはあくまで電話相談の範囲での非公式な一般論であることをご承知置きください。実際の認定申請の可否は個別の事例ごとに判断されるもので、この通りに申請すれば認定されるというものではありません。)平成29年5月追記。このやり取りは昨年10月時点のものです。その後の状況が変化している部分もありえます。今後申請をご検討の際は改めてご相談されることを推奨します。
太陽光プラントで経営力向上計画の認定を受けられるのですか?
私から質問:「太陽光設備の認定についてはQ&Aでは条件を満たせば可能という書きぶりですが実際のところどうなんでしょうか?認定のハードルは高いのでしょうか?
回答:それは私から申し上げられる事はできないです。お答えできるのは太陽光設備の認定申請自体は非常に多いです。しかし申請内容のほとんど全てがパネルの性能がどれくらい向上したという工業会証明書の要件クリアの説明が書いてあるだけで経営力向上に具体的に結び付いた申請になっていないので認定が下りない状況です。Q&Aにある通り設備や、技術、個人の有する知識及び技能等などの経営資源を、自社の事業活動において十分に利用して経営力の向上を目指すことが分かるよう書いて下さい。今後の理解が進めば認定事例も増えてくると思います。
こんな場合は経営力向上計画にあたりますか?
私から質問:例えば太陽光の保守点検に革新的設備を導入して保守業務を効率化し引いては経営力向上を図るという計画はどうでしょうか?この場合、経営力向上設備に該当するのはその革新的設備だけでしょうか?
回答:その他の要件を満たした上であれば認定の見込みはあると思います。その革新的設備だけでなく発電設備そのものも対象にできると思いますよ。
私から:ありがとうございます。大変勉強になりました。またご相談させてください。よろしくお願いします。
回答:いつでも相談してください。
太陽光プラントでの経営力向上計画認定の実績
その後、太陽光プラントによる売電事業者のご依頼で実際の認定申請手続を行い、3月に無事認定が下りました。
上記の中小企業庁への電話相談を参考に、太陽光プラントによる売電事業の課題やその解決方法を調査しました。その結果を事業者様に当てはめて、新規設備投資により如何に「経営力の向上」を行うのか、生産性向上要件をクリアする計画を立てるかという事を検討し経営力向上計画の認定申請書に落とし込みを行う事ができました。
中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定活用支援いたします
渡辺会計では経営力向上計画の認定支援の豊富な実績を有しています。また中小企業経営強化税制の前提となる商業サービス業活性化税制の適用には認定支援機関による支援が必須となっております。
これらの税制の活用をご検討の皆様は渡辺会計までご相談ください。
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