平成28年からスタートした中小企業等経営強化法に基づく固定資産税の軽減措置を受ける場合、経営力向上計画の申請書に該当設備の工業会証明書を入手する必要があります。設備のメーカー様が工業会に証明書の発行申請をする必要があるのですが、メーカー様によっては申請に苦戦されていらっしゃいます。
そこで、以前メーカー様をサポートして工業会証明書の申請と証明書入手まで行った事例をご紹介します。この記事はあくまである時点における事例に過ぎませんし、この記事の手順が最善とも限りません。その点ご留意の上工業会証明書の申請をお考えの皆様のご参考となれば幸いです。
申請当事者はメーカー様
最初に注意すべき事として制度上、工業会への証明書申請の当事者はメーカー様である事です。私がお手伝いした事例でも立ち位置はあくまでメーカー様のサポート役でした。その意味でメーカー様の主体的なご協力はどうしても必要になります。仮にユーザー様や設備のベンダー様等の第三者が関与する場合、メーカーご担当者様のサポート役として工業会ご担当者様と手続の整理を進める必要があります。私がお手伝いした事例ではメール等の文面作成や工業会様からの指導内容のコンサルテーションを当方が行って、工業会様とのやり取りはメーカー様が前面に立っていただきました。
該当工業会様を探す
どの工業会様に申請を出すのかをまず決定しなくてはなりません。この点中小企業庁のWebに「対象資産区分及び対応工業会等リスト」が掲載されています。まずはこのリストをもとに工業会様を探していきます。
リストで当たりをつけたら工業会のWebを見る
リストにはたくさんの設備と対応する工業会が掲載されていて探すのは大変です。一方そのものズバリ該当する設備が無い場合もあります。そこである程度対応工業会様のあたりをつけたら該当工業会様のWeb等でのアナウンスにあたって見るのが良いと思います。多くの工業会様で
中小企業等経営強化法の経営力向上設備等に係る証明書発行
といった表題で案内のページがあります。そちらに手順や問い合わせ窓口が記載されています。
太陽光発電設備の対応工業会
ちなみに余剰売電太陽光発電設備の太陽電池モジュールは「一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)」様が工業会証明書の対応をされています。
また全量売電用の太陽光発電モジュールおよびPCA等は「一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)」様が工業会証明書の対応をさています。
まず製品のカタログを用意する
工業会証明書の「証明」とは
- 販売開始時期
- 経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率、精度など)
が一定の要件を満たしている事の証明です。工業会証明書発行申請にあたってはメーカー様がこれらの根拠資料を用意し申請書に添付します。
私がお手伝いした事例では、工業会様からまず製品のカタログを用意する様に指導されました。カタログには販売時期や製品の仕様・スペックが記載されている事が多く、根拠資料として端的にまとまっている資料としてカタログを用いることが多いと思われます。
指標の選択はメーカーの工夫と裁量で
販売時期に関してはどのような製品でも年月を証明すれば良いので難しくないのですが、指標(生産効率、エネルギー効率、精度など)について具体的にどうすればよいのか判断に悩む場合が多いと思われます。
この点工業会様からは
メーカーの裁量を広く認めている。工夫して何らかの定量的な指標で説明して欲しい
と指導されました。
「指標」の要件をもう少し具体的に説明すると、対象製品が
している事です。旧モデルとの比較という所がヒントになっていて新しいモデルは通常旧モデルより何らかの性能向上されていると考えられます。その性能向上の具体例が生産効率、エネルギー効率、精度という事です。工業会としては性能向上の意義を一律に決めるのではなくメーカーの裁量を広く認めている。性能向上を定量化した何らかの指標で説明する工夫をして欲しい、という主旨だと考えられます。
太陽光パネルの場合の指標事例
当方がJEMA様あての太陽光パネルの工業会証明書申請をお手伝いをした事例では、
モジュール変換効率(η)
を指標として使用しました。モジュール変換効率の正式な定義は太陽光発電協会様のWebをご参照いただきたいのですが、光の強さとパネルの面積当たりの発電量でモジュールの性能を示すのに一般的によく用いられる指標の一つです。
こちらについて上記の生産効率、エネルギー効率、精度のどれにあたるかですが、JEMA様とのやり取りの結果
エネルギー効率
として申請することになりました。以前JEMA様から「JEMA扱い機器及びチェックリスト記載例」というアナウンスがあり、そこでは
太陽電池モジュール、パワーコンディショナのチェック指標はエネルギー効率
という旨の記載があり、それを踏襲した形になりました。(現在はJEMA様Webには上記アナウンスは無いようです。)
その他
工業会様からは申請資料とチェックリストの他の資料として、メーカー様の企業概要がわかるパンフレット等の依頼がありました。
相当申請が集中しているためまたスケジュールに関しての問い合わせには対応できない、電話での問い合わせにも対応できない旨要請がありました。
60日ルールや軽減措置の期限の関係上、スケジュール調整が必要になりますが工業会様のご都合もふくめ余裕をもった準備が必要と考えられます。
中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定支援いたします
今回の記事では工業会証明書の取得の事例についてご紹介しました。繰り返しになりますが、あくまである時点における事例で、この記事の手順が最善とも限りませんが、工業会証明書の申請をお考えの皆様のご参考となれば幸いです。
渡辺会計では経営力向上計画の認定支援の豊富な実績を有しています。また単に経営力向上計画の策定だけではなく、固定資産税軽減の要件である工業会証明書の申請等のサポートも致します。
これらの税制の活用をご検討の皆様は渡辺会計までご相談ください。
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