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平成26年1月24日追記、「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の 適用税率に関するQ&A」(以下新Q&A)が公表されました。新Q&Aで施行日をまたがる場合の保守契約の取扱いについて明確化されました。以下、新Q&Aについて適宜加筆しておりますので御留意下さい。

11/1「消費税率引上げ対策セミナー」に多数のお問合せ・ご出席いただき有難うございました。これからも皆様のお役に立てるよう努めてまいりますのでご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

今回はセミナーのご出席者からいただいたご質問についてご紹介いたします。

適用する税率は財貨引渡し、サービスの完了の時点(資産の譲渡等の時点)で原則判断

以前のブログ記事でもご紹介しましたが、資産等の譲渡の日は引渡日であり(基本通達9-1-1)、引渡日として合理的に認められる日のうち事業者が継続して譲渡を行った事としている日(同9-1-2)とされています。

保守契約のように日々継続してサービスを提供するものについては、サービス完了日が基準となると考えられます。この点国税庁Q&A問4では

(保守など)役務の提供は、物の引渡しを要しないものですから、資産の譲渡等の時期は役務の全部を完了する日(基本通達9-1-5)

と説明しています。

施行日をまたぐ保守料金に適用する消費税率

原則的な考え方は完了日が基準

保守期間が施行日をまたいでいる場合に当てはめると、譲渡等の時点は保守サービス完了日と言うことになります。よって、保守完了の日付が施行日後であれば新税率が適用されることになります。(国税庁Q&A問4)

一定期間・作業の段階ごとに譲渡等の日とする考え方

平成26年1月24日追記、「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の 適用税率に関するQ&A」(以下新Q&A)が公表されました。新Q&Aで施行日をまたがる場合の保守契約の取扱いについて明確化されました。以下、新Q&Aについて適宜加筆しておりますので御留意下さい。

新Q&A問2において

保守サービスの年間契約(月額○○円)を締結しています。この保守サービスについては、月ごと(20日締め)の作業報告書を作成し、保守料金を請求

している場合

月ごとに役務提供が完了するものと考えられます。 したがって、平成26年3月21日から同年4月20日までの役務提供については、その役務提供の完了した日である4月20日における税率(8%)が適用されることとなります

とされています。新Q&Aも従来のブログ記事の「技術に係る役務の提供」とほぼ同旨と考えられます。

  • 月ごとの作業報告書
  • 月ごとの請求

が、月次での役務提供完了の要件と考えられます。

また新Q&A問3において料金を前受する保守契約について

保守契約は、月額○○円として保守料金を定めており、中途解約があった場合には、未経過期間分の保守料金を返還する

場合

保守料金が月額で定められており、その役務提供が月々完了するものですので、この保守契約に基づき計上した前受金に係る資産の譲渡等の時期は、現実に毎月の役務提供が完了する時であり、その時の消費税率が適用されます。

と明記されました。

  • 月額保守料金の定め
  • 解約の際の未経過料金返還

が要件と考えられます。

これらの月次で役務提供が完了する保守契約の場合は月ごとに適用する税率を判断すると考えられます。

技術に係る役務の提供の場合、原則はすべての役務完了日が譲渡等の日ですが、一定の要件を満たす場合は、報酬の額が確定した日を譲渡等の日とすることができます(基本通達9-1-11)。その要件は

  1. 報酬の額が現地に派遣する技術者等の数及び滞在期間の日数等により算定され、かつ、一定の期間ごとにその金額を確定させて支払を受けることとなっている場合
  2. 例えば、基本設計に係る報酬の額と部分設計に係る報酬の額が区分されている場合のように、報酬の額が作業の段階ごとに区分され、かつ、それぞれの段階の作業が完了する都度その金額を確定させて支払を受けることとなっている場合

とされています。

保守契約に当てはめると、保守契約が技術の役務提供を目的としていて、一定の期間内例えば月次の保守サービス回数の範囲内で月々の金額が決まっていて、月々報酬請求するような契約の仕方になっていれば、1.の要件に当てはまると考えることは可能と思われます。その場合施行日前の期間については旧税率、施行日後の期間については新税率で計算することも考えられます。

Q&A問4に記載された簡便法

国税庁Q&A問4では間便的な方法も記述されています。

契約又は慣行により、1年分の対価を収受することとしており、事業者が継続して当該対価を収受したときに収益に計上しているときは、施行日の前日(平成26年3月31日)までに収益に計上したものについて旧消費税法(旧税率)を適用して差し支えありません。

と旧税率を適用することも容認しています。

ただ、この方法は「譲渡等の日」の原則的な考え方と相違していますのでどんな場合でも適用できるものではないと考えるべきだと思います。あくまで

  • 1年分(短期)
  • 継続して
  • 当該対価を収受したとき(前受時点)に収益に計上

の場合に適用できる簡便法と考えるべきだと思います。

春日渡辺会計事務所は消費税率引上げに伴うご相談を承ります

春日渡辺会計事務所は文京区の会計士、税理士事務所です。春日渡辺会計事務所では消費税率引上げを始めとする会計・税務に関するご相談をお受けしております。疑問点、御用のある方はお気軽にご連絡下さい。

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