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前回から引続き平成26年度税制改正大綱についてご紹介します。今回は税制改正大綱後半の「追加して決定する事項・消費課税」についてです。

消費課税

簡易課税制度におけるみなし仕入率の見直し

消費税の簡易課税制度のみなし仕入率について、次の見直しを行う。

  • 金融業及び保険業を第5種事業とし、そのみなし仕入率を 50%(現行:60%)とする。
  • 不動産業を第6種事業とし、そのみなし仕入率を 40%(現行:50%)とする。

上記の改正は、平成 27 年4月1日以後に開始する課税期間について適用する。

(平成26年度税制改正の大綱P95より)

とされました。

これは簡易課税による「益税」やみなし仕入率が各業種とも実態よりも低い事に対応するものです。適用は27年4月からですが、金融保険不動産業で簡易課税を適用している事業者にとっては簡易課税から原則課税に切替を検討する事が考えられます。

課税売上割合計算方法の見直

消費税の課税売上割合の計算上、金銭債権の譲渡については、その譲渡に係る対価の額の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額に算入することとする。

上記の改正は、平成 26 年4月1日以後に行われる金銭債権の譲渡について適用する。

(平成26年度税制改正の大綱P96より)

とされました。

従来、売掛金以外の金銭債権の譲渡は、課税売上割合計算上資産の譲渡等の対価の額(分母)に算入不要でした(消費税法施行令48条1項2項)。

これを株式の譲渡の場合などと同様に分母に5%算入される事になりました。この結果従来より課税売上割合が引き下げられる事になり税額ベースが拡大する事になります。

自動車課税

自動車取得税

  • 平成 26 年4月1日以後に取得される自動車に対して課する自動車取得税の税率を、次のように引き下げる。
    • 自家用の自動車(軽自動車を除く。) 100 分の3(現行:100 分の5)
    • 営業用の自動車及び軽自動車 100 分の2(現行:100 分の3)
  • 平成 26 年4月1日以後に取得される自動車について、排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車(新車に限る。)に対して課する自動車取得税に係る特例措置(いわゆる「自動車取得税のエコカー減税」)において、現行、税率を 75%軽減する自動車に係る軽減割合を 80%に、税率を 50%軽減する自動車に係る軽減割合を 60%に拡充する。

(平成26年度税制改正の大綱P91より)

とされました。要点は

  • 消費税率引上げのタイミングにあわせて自動車税を引下げる。
  • エコカーの軽減を拡充する。

という事になります。なお、与党税制改正大綱では消費税10%引上げのタイミングで自動車取得税廃止が盛り込まれています(平成25年12月12日与党税制改正大綱P4より)

自動車重量税

いわゆる「自動車重量税のエコカー減税」について、平成 26 年4月1日以後に新車に係る新規検査を受けた検査自動車のうち、当該新規検査の際に納付すべき自動車重量税を免除された検査自動車については、当該新規検査後に受ける最初の継続検査等の際に納付すべき自動車重量税を免除する。

(平成26年度税制改正の大綱P90より)

とされました。自動車重量税のエコカー減税も拡充される見込みです。

与党税制改正大綱に盛り込まれた事項

与党税制改正大綱に盛り込まれた事項のうち話題となっている事項についてご紹介します。

消費税軽減税率

消費税の軽減税率制度については、「社会保障と税の一体改革」の原点に立って必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入する。(平成25年12月12日与党税制改正大綱P6より)

とされています。ただ現時点で対象品目や導入に伴うインボイス方式の採用の要否などについて具体的な議論はなく、「10%時」が導入時なのか10%になった後なのかも曖昧のようです。現時点では議論が始まったという認識で充分だと思います。

軽自動車税

軽自動車税については、平成 27 年度以降に新たに取得される四輪車等の税率を、自家用乗用車にあっては 1.5 倍に、その他の区分の車両にあっては農業者や中小企業者等の負担を考慮し約 1.25 倍にそれぞれ引き上げる。 (平成25年12月12日与党税制改正大綱P5より)

とされています。軽自動車税については負担増の方針が出ています。

追加して決定する税制改正(国際課税)について次回ご紹介します

追加して決定する事項・消費課税関連の概要をご紹介しました。追加する税制改正・国際課税関連以降については引続き次回の記事でご紹介します。

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