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前回から引続き平成26年度税制改正大綱についてご紹介します。今回は税制改正大綱前半の「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」のベンチャー投資促進税制についてです。

「民間企業等によるベンチャー投資等の促進」の創設

平成26年度税制改正の大綱では「ベンチャー投資の促進」の税制上の施策として、

  • 事業拡張期にあるベンチャー企業への投資を活性化するため、ベンチャーファンドに対して出資する企業が、出資額の8割を限度として損失準備金を積み立て、損金算入できる制度を創設。
  • 創業支援事業計画の認定を受けた市区町村内において、当該市区町村等による一定の支援を受けた創業者が、株式会社の設立の登記を行う際にかかる登録免許税を半減する措置を創設。

が予定されています。 (民間投資活性化等のための 経済産業関係 税制改正の概要、P15,17より)

ベンチャー投資促進税制の創設

ベンチャーファンドに投資し、ファンドの存続期間終了の日までの期間内の各事業年度においてファンドの帳簿価額の合計額の80%以下の金額を新事業開拓事業者投資損失準備金として、損金算入できる制度が創設される予定です。

この準備金は翌事業年度にその積み立てた金額の全額を取り崩して、益金算入されます。毎期洗替えるイメージですね。

以下で記載していますが「特定新事業開拓投資事業計画」の期間は10年を超えない事となる見込みです。よって、準備金の洗替えにより最大で10期課税の繰延べが可能になると思われます。

ベンチャー投資促進税制適用の要件

平成26年度税制改正の大綱では、べンチャー投資促進税制適用の要件を

  • 青色申告書を提出する法人
  • 産業競争力強化法の施行の日から平成29年3月31日までの間に特定新事業開拓投資事業計画の認定を受けたファンド
  • ファンドの有限責任組合員に限り、その法人が適格機関投資家である場合には出資予定額が2億円以上
  • 特定新事業開拓投資事業計画の認定を受けた日以後に出資
  • その認定を受けた日からファンドの存続期間終了の日までの期間内に特定新事業開拓投資事業計画に従って新事業開拓事業者の株式を取得した場合

としています。

特定新事業開拓投資事業計画

産業競争力強化法で規定されている「特定新事業開拓投資事業計画」とは、「新事業開拓事業者(第2条5項)」に対して積極的な経営又は技術の指導を伴うことが確実であると見込まれるファンドが当該事業を行うために策定する計画です(第17条)。

べンチャー投資促進税制の適用を受けるには「特定新事業開拓投資事業計画」が経済産業の認定を受ける必要があります。

認定を受けるための要件は、現時点では特定新事業開拓投資事業の実施に関する指針(案)(案件番号:595113068)にそったものになると思われます。

定量的な要件として

  • ファンドの内部収益率目標が15%以上
  • ファンド組成の規模は20億以上
  • 無限責任出資割合1%以上

等が定められる予定です。

また、特定新事業開拓投資事業計画の期間は10年を超えない事とされる予定です(経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(条文案)第10条3項)

適格機関投資家

適格機関投資家の出資予定額の要件ですが、適格機関投資家とは有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者として内閣府令で定める者(金融商品取引法第2条3項1号)です。

この適格機関投資家の出資額要件が何故設定されたか疑問に感じたのですが、適格機関投資家は

プロとして、みずからのリスクでベンチャー企業への資金供給を実施するべき主体(第185回国会 経済産業委員会 第6号(平成25年11月13日(水曜日))経済産業副大臣答弁)

なので、ある2億程度の規模以上の出資をしないと恩典を利用できない制度設計になったと思われます。

また、適格機関投資家は

その投資事業有限責任組合契約を締結した日を含む事業年度開始の時におけるその他有価証券である株式等の帳簿価額が20億円以上のものに限る。

という要件も課されます。

登録免許税の負担軽減措置

産業競争力強化法では国・地方自治体・民間の連携による創業希望者の掘起こし・支援のため、創業者に身近な市区町村を中心とした、経営ノウハウ提供・資金調達支援などのワンストップ支援スキームを創業支援事業計画(民間投資活性化等のための 経済産業関係 税制改正の概要、P17より)として認定しその認定創業支援事業計画に則って行う創業について登録免許税の軽減措置により税務上も支援が受けられます。

個人が、産業競争力強化法に規定する認定創業支援事業計画に係る認定を受けた市区町村において、同計画に記載された特定創業支援事業による支援を受けて株式会社の設立をする場合には、登録免許税の税率を、1,000 分の 3.5(最低税額7万5千円)(本則 1,000 分の7(最低税額 15万円))に軽減する措置を講ずる措置がとられる予定です。登録免許税が半額というイメージです。

「収益力の飛躍的な向上に向けた経営改革の促進」以降の税制改正について次回ご紹介します

ベンチャー投資促進税制の概要をご紹介しました。「収益力の飛躍的な向上に向けた経営改革の促進」以降の税制改正大綱については引続き次回の記事でご紹介します。

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