皆様の事業に貢献します

前回から引続き平成26年度税制改正大綱についてご紹介します。今回は税制改正大綱前半の「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」の中の研究開発税制の拡充についてです。

民間投資の活性化

平成26年度税制改正の大綱では「民間投資の活性化」の施策として、

  • 生産性向上設備投資促進税制
  • 研究開発税制の拡充

が予定されています。前回の記事で設備投資促進税制についてご紹介しました。引続き研究開発税制についてご紹介します。

研究開発税制の拡充

従前の研究開発税制の増加型・高水準型が3月31日に期限切れになります。そこで平成26年度税制改正大綱では、制度の適用期限を3年延長するとともに、増加型について改組(拡充)されます。

この制度は

「研究開発費をGDP比で世界一位に復活」すべく、研究開発税制(増加型)について、試験研究費の増加割合に応じて税額控除割合が高くなる仕組み(最大30%まで)に改組。 (民間投資活性化等のための 経済産業関係 税制改正の概要、P8より)

するものです。

研究開発税制の恩典・優遇措置の概要

研究開発費に関する税額控除、増加型と高水準型のどちらかを選択適用できます。

税務上の恩典・優遇措置 税額控除限度額 控除割合 変更点 定義
増加型 比較試験研究費からの増加額×控除割合 増加割合(5%超から最大30%) 3年延長+控除割合5%→最大30%へ拡充 比較試験研究費・前3期の試験研究費の平均
高水準型 平均売上金額の10%からの超過額×控除割合 (試験研究費割合-10%)×0.2 3年延長

平均売上金額・当期と前3期の売上の平均

試験研究費割合・当該事業年度の試験研究費の額/平均売上金額

増加型・高水準型の控除上限額は法人税額の10%となっています。

なお、既存の「試験研究費の総額に係る税額控除制度(総額型)」は恒久的優遇措置であり従前どおり継続します。総額型は増加型又は高水準型との重複適用が可能です。

総額型の概要は下記の表の通りです。

税額控除限度額 控除割合
試験研究費の総額×控除割合 (試験研究費割合×0.2)+8%、上限10%


総額型の控除額の上限は法人税額の30%(平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度まで、それ以降は20%)です。

研究開発費税制の要件

増加型の適用要件は、「増加試験研究費の額が比較試験研究費の額の5%を超え、かつ、試験研究費の額が基準試験研究費の額を超える」事とされています。

「増加試験研究費」とは、試験研究費の額から比較試験研究費の額を控除した残額です。また、「基準試験研究費」とは前2年以内に開始した各事業年度において損金の額に算入される試験研究費の額のうち最も多い額です。

高水準型の適用要件は、「試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える」事とされています。

研究開発税制の対象

この制度の対象となる試験研究費には、「製品の製造」又は「技術の改良、考案若しくは発明」に係る試験研究のために要する費用で政令で定めるもの(措法42の4条12項)とされています。

費用の範囲

「試験研究のために要する費用」の範囲について措令措令27の4条では、以下のように定められています。

  • その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもつて当該試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限る。)及び経費
  • 他の者に委託して試験研究を行う法人(人格のない社団等を含む。以下この章において同じ。)の当該試験研究のために当該委託を受けた者に対して支払う費用
  • 技術研究組合法第9条第1項の規定により賦課される費用。具体的には
    • a 鉱工業技術研究組合法の鉱工業技術研究組合
    • b 中小企業経営革新支援法の組合等、沖縄振興特別措置法の特定組合等又は中小企業経営革新支援法の特定組合等
    • c 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法の認定を受けた法人

    等から賦課される費用が該当します。

試験研究の範囲

試験研究の範囲は工学的・自然科学的な基礎研究、応用研究及び開発・工業化等を意味するもので、必ずしも新製品や新技術に限らず、現に生産中の製品の製造や既存の技術の改良等のための試験研究であっても対象となります。逆に、「製品の製造」又は「技術の改良、考案若しくは発明」に当たらない人文・社会科学関係の研究は対象とはなりませんQ&A 研究開発減税・設備投資減税について(法人税)Q8

「中小企業対策」以降の税制改正について次回ご紹介します

研究開発税制の拡充の概要をご紹介しました。「中小企業対策」以降の税制改正大綱については引続き次回の記事でご紹介します。

春日渡辺会計事務所は会計・税務のご相談を承ります

春日渡辺会計事務所は文京区の会計士、税理士事務所です。春日渡辺会計事務所では税制改定の有効活用をはじめとする会計・税務に関するご相談をお受けしております。税制上の恩典を受けるための準備などお気軽にご質問・ご相談下さい。

資金調達・創業計画策定支援業務開始
生産性向上設備投資促進税制解説セミナー
previous arrow
next arrow
Slider
ページのトップへ戻る