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有名フランチャイズチェーンが開発したPOSレジの現金管理の考え方に驚かされたのでご紹介します。設計思想をあれこれ思い悩みました。

現物の動きを反映するのが帳簿

帳簿を含むあらゆる管理簿は何らかの事象の増加、減少を全て記録し後日その増減を追跡し残高が算出可能なようにデザインします。

現金出納帳、得意先元帳(売掛金)、受取手形台帳、棚卸資産台帳、固定資産台帳、有価証券台帳、仕入先元帳(買掛金)、借入台帳…すべて現物や債権債務の増減を記録し時点時点の残高を算出できるようにデザインされています。管理簿を後から参照し増減要因を把握することで事象の管理を行うためです。管理を行うためには管理簿は実際の事象を漏れなく正しく記録できなければなりません。また現物の残高と管理簿の残高の一致を確かめられなければなりません。この現実を反映した記録と現実と記録の照合が管理の基本、重要な内部統制なのはご理解いただけると思います。

現金管理は特に高い精度の管理が要求される

管理の精度は対象のリスクや重要度によって異なりますが、一般的に現金は盗難、横領のリスクも高く資産の性質としても重要性が高く精度の高い管理が求められます。オフィスであれば日次、最低でも週次で現物と帳簿の照合を行う事が多いですし、店舗のレジ現金であれば少なくとも開店と閉店の都度、帳簿残高と実際の残高を照合する必要があります。

POSレジの現金在り高と実際残高の差異

今回取り上げるPOSレジは有名フランチャイズチェーンが開発し、半年前にその加盟店が導入したものでした。POSからは日報が出力されそのレポーティング事項に

  • あるべき現金在り高
  • 現金在り高
  • 現金過不足

という項目がありました。

私はPOSレジに現金出納機能があり、入出金記録から「あるべき現金在り高」算出し実際の残高を「現金在り高」に入力して「現金過不足」を把握していると思い込んでいました。

しかし店の現金在り高とPOSの「現金在り高」が一致せず、差額の原因も良く解りません。監査畑出身の人間としてはどうにも気になったので店長さんとお話をすることにしました。

現金の帳簿残高を把握できないPOSレジ

最初話が全くかみ合いませんでした。POSには開店時に現金在り高を登録し、回転中の入金、出金も登録する、そして閉店時に数えた現金在り高を登録し現金過不足が日報に記録されるというのですが、じゃあなぜPOSの現金在り高報告(念のためお断りしますが「あるべき現金在り高」ではありません)と現金在り高が一致しないのかというところで店長さんは一生懸命説明してくれるのですが、理解できません。某掲示板の有名コピペ状態です。

よくよく話をうかがってみるとPOSが報告する「あるべき現金在り高」というのはその日の入金項目と出金項目をネットした金額らしいということが解って来ました。そうするとPOSに登録する「現金在り高」は実際の現金在り高ではなくて、閉店時現金在り高から開店時有り高を引いた金額になります。閉店時に数えた現金から開店時の残高を差し引いてPOSレジに入力しているのだとの事でした。POSのレポートする「現金在り高」が実際の現金在り高を表していないのですから、これでは現金の帳簿残高を把握するという出納記録の役割が全く果たすことができません。

無理やり説明をつけるとしたら、このPOSレジは閉店時に全ての現金を引上げて夜間金庫等に入金し、翌日お金がカラの状態で開店するという現金管理を前提にしている事になります。実際はおつり用の現金をレジに用意しないと開店できないし、現実に開店時の在り高をPOSに登録しているしているのです。

もしかしたら過去の入出金しか記録できないレジと互換性を持たせたのかもしれません。あるいはレジの使い方自体間違っているのかもしれません。考えても合理的な解釈はむずかしく、POSの開発者か店のどちらかが勘違いしているような気もします。

現物の動きを反映するのが帳簿

繰返しになりますが現物の動きを帳簿は反映させなければ管理できません。管理簿のシステムは現物をトレースするための機能が必要だと思いますが、そうなっていないシステムだったので驚きました。このシステムがどういう背景なのか、どういう管理を行うのかもう少し調べてみます。

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