給与計算のソフトで計算した結果を元に人件費の仕訳伝票を会計ソフトに入力する事は日常的な処理です。今回、給与計算ソフトからペーパーに出力した情報を担当者が目と手を使って会計伝票を起票していたのですが、簡単なVBAマクロアプリケーションで自動化し劇的に効率化ができたのでご紹介します。
最近のアプリケーションはデーターコンバート機能を有している事が多い
最近の事務系アプリケーションは自ソフトだけで閉じてしまう事より、他のソフトとデーターのやり取りができるようになっている事が多いです。コンピューターの計算結果をわざわざ紙にしてまた人間がコンピューターに入力するよりも計算結果をコンピューター間でやり取りできるほうが効率的ですし、他社アプリケーションソフトから乗り換えできると買い替えのハードルが低くなるからです。
マニュアルの索引やヘルプファイルで
- コンバート
- インポート
- エクスポート
- 他のアプリケーションとの連携
- CSV
- コンバート
等の単語を探してみてください。見つかれば、コンピューター間で直接データーを移せる可能性が大です。
データーの構造を調べる
マニュアルの該当箇所が見つかったら元アプリケーションがどんなデーターを出力し取込先アプリケーションがどんなデーターを入力する必要があるか、データー構造を調べましょう。運がよければ元データーをそのまま取り込める事もあるかもしれません。
データーを取込む会計ソフト側のインポートデーターの仕様がマニュアルに載っていたのですが、項目数が30以上あり、全てを設定するのは難しいそうでした。そこで、手動で入力した仕訳伝票をエクスポートしてどの項目にどんなデーターが設定されているか調べて見ました。
そうすると項目のほとんどが空欄になっています。空欄になっている項目は設定不要と判断しデーターを作らないことにします。
マニュアルをすみずみまで読めば全ての項目の意味を理解してデーターを設定できますが、もともと手動で入力しているデーターさえ取込んで置けば同じ結果が出るはずですし、取り敢えず動くものは作れるという考えで行きます。
こんな感じで調べた結果、元データーの形式は下記の様な表形式のCSVデーターです。
[xml]
20131130,科目1,科目2,科目3
部門A,50000,60000,70000
部門B,8500,10200,11900
部門C,500,550,600
部門D,100,110,120
[/xml]
最初のレコードが日付と2列目以降の表題になっています。人件費科目1が部門Aで50000円、部門Bで8500円、部門Cで500円、科目2が部門A60000円、部門B10200・・・という構造になっています。
一方データーを取込む側の会計ソフトは
[xml]
伝票日付,伝票番号,伝票種類,借方科目コート,借方部門コード,貸方科目コード,貸方部門コード,業種コード,金額,消費税コード,摘要
[/xml]
という構造になっていました。人間が入力していないデーターは伝票種類だけでした。
ツールのプラットフォーム
元データーを取込みデーターに変換するプログラムはExcelのVBAマクロを使うことにします。ExcelならCSVを取込むことは元々できますし、コンバートしたデーターもエクセルのシートに展開してすれば動作確認も楽です。
perlやawkでも何とかなりそうですが、部門名と部門コード、科目名と科目コードの対応とかExcelのシートに転換テーブルを作ってやったほうがツールを使う人にとってもわかりやすそうですしWindows環境でスクリプト言語環境を整えるのもなじみが無ありません。
こういうツールは多少コードが汚くても動くものをちゃっと作って楽をするのが正しいと思うのでユーザーインターフェースは凝らずExcelのVBAマクロにしました。
製作期間は半日、毎月2時間の節約
以上の条件でVBAのコードを組みました。データー構造の分析からコーティング、テストまで半日ほどかかりました。一方毎月の月次の伝票入力は30部門の正社員とパートの給与、社会保険料、通勤交通費の伝票入力とチェック作業にのべ2時間以上かかっていたのが、ほぼマクロを実行してデーターを会計ソフトにインポートするだけで済む様になりました。
時給1,000円として月2,000円の削減効果です。また、月次の締めの忙しい時期に2時間削減できるのは、かなり気分的にも余裕が持てる様になったと喜んでいただけました。
データー処理の効率化のご提案をいたします
エクセル・アクセスは便利なアプリですがエクセルの資料作りは似たような作業の繰返しも多く手間ヒマはわずらわしいものです。他のアプリからデータを入力するのにエクセルに再度手入力するのも二度手間です。
これらの作業をVBAマクロアプリケーションで劇的に効率化できる事があります。春日渡辺会計事務所では、業務効率化のためマクロアプリケーションの製作を行っています。
ご相談、ご質問をぜひお聞かせ下さい。こちらのフォームで承ります。
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