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先日「消費税率引上げと総額表示義務」という記事を投稿しました。平成16年に一般消費者向けの価格表示は総額表示が義務化されたのですが、消費税率引上げにあわせて「税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り、税込価格を表示することを要しない」という経過措置が認められました。この「誤認されないための措置」について公正取引委員会からガイドラインが公表される予定です。

一方各種団体からガイドラインの公表を待たずに価格表示方法の方針が発表されています。今回は現在の価格表示の動向についてご紹介します。

小売業界は「税抜」表示が多数になりつつある

7月23日の朝日新聞の記事では日本チェーンストア協会が価格表示について、「税抜き」を基本とする方針を決めた、とあります。また6月23日の日経新聞に掲載された調査結果によるとスーパーの7割が外税表示、とあります。小売業界は「税抜」表示が多数になりつつあるようです。

「税抜」には「誤認されないための措置」が必要

追記、9/10に公取委、消費者庁、財務省は、パブリックコメントに付していた消費税転嫁対策特別措置法のガイドラインを公表しました。公表されたガイドラインに基づく「誤認されないための措置」について新しい記事でご紹介しています。「誤認されないための措置」については新しい記事をご参照ください。

先にご紹介したとおり平成25年の6月に「措置法」が公布されました。価格表示は「総額表示」つまり税込価格が原則ですが、措置法の10条で「税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り」税抜価格が認められました。

この「誤認されないための措置」の具体的な指針は「ガイドライン」が発表される予定ですがガイドラインを待たずに「税抜」を採用する企業が多数となりつつあります。「誤認されないための措置」について現時点でなんらかの見通しが立っているのでしょうか?

「誤認されないための措置」について国会答弁されている

実は国会の経済産業委員会で「誤認されないための措置」について答弁されていました。平成25年5月10日の議事録をご紹介します。

ガイドラインにおきましては、消費者に誤認されないための表示の例として、例えば、値札やチラシなどにおきまして、百円括弧税抜き、百円括弧本体価格、あるいは百円プラス税といった表示を行う方法や、それから、値札には本体価格の百円とだけ表示した上で、商品の陳列棚や店内の目につきやすい場所に明瞭に、表示価格は税抜きです、消費税八%は別途いただきますといった掲示を行う方法なども含め、できるだけ明確に、わかりやすい形で示してまいりたいと考えております。

この答弁に従えば、

  • 100円(税抜き)
  • 100円(本体価格)
  • 100円(プラス税)

とするのは「誤認されないための措置」として認められると考えられます。

「税抜」のハードルは低かった

税抜が多数となってきたのは「誤認されないための措置」がそれほど手間ではないと言う事だと思われます。特に消費税率が平成26年4月から5%、平成27年10月から10%と立続けに引き上げられることから、総額表示では値札を税率変更の都度付け替える必要があり、その手間との比較で税抜表示を選択することになったのでしょう。

税抜表示は平成29年3月31日まで

ただし「措置法」は平成29年3月31日までとなっています。その後は原則どおり総額表示しなければなりません。立法側は平成29年3月までには価格改定もされているはず、という見通しなのだろうと思いますが、いずれにしても短期間のうちに価格の付替えが必要になり、慎重な準備が必要となります。

春日渡辺会計事務所は消費税率引上げに伴うご相談を承ります

春日渡辺会計事務所は文京区の会計士、税理士事務所です。春日渡辺会計事務所では消費税率引上げを始めとする会計・税務に関するご相談をお受けしております。疑問点、御用のある方はお気軽にご連絡下さい。

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