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今回は固定資産計上の範囲について他の会計士、税理士議論する機会がありましたのでご紹介します。

税務基準が会計慣行となっている

私の知る範囲ですが会計士による法定監査の対象であっても実質的に税務基準によって固定資産計上を判断する事が多いです。

税務では法人税法施行令132条133条

  • 10万円未満の固定資産は全額損金参入可能
  • 20万円未満の固定資産は3年一括償却可能

とされているのはご存知の方も多いと思います。そして、10万円20万円の基準は基本通達7-1-11,7-1-12で通常1単位として取引されるその単位ごとに判定するとされ、以下が例示列挙されています。

  • 機械及び装置については1台又は1基ごと
  • 工具、器具及び備品については1個、1組又は1そろいごと
  • 構築物のうち例えば枕木、電柱等単体では機能を発揮できないものについては一の工事等ごと

裁量の余地はそれなりにある

では通常1単位として取引される単位ですが、例えば

  • 1枚あたり数千円の案内パネルを建物改装で大量購入した
  • 通常は千円単位で取引される天板・棚板・柱を大量購入し什器を作った
  • 数万円のPCアプリケーションを事業所新設で大量購入した。

これらはどう考えられるでしょうか。

案内パネルもフロアや建物全体で機能していると見れば1枚ごとと見るべきではないですが、案内パネル1枚で機能しているとみれば1枚ごとと見られるでしょう。そもそもパネルのような消耗品を固定資産として管理する対象ではないとも考えられます。

什器の場合は組上げた什器1個の合計額が基準となるのでしょうが、連結式の什器だとネジで簡単につなげたり外したりできます。什器で島を作った場合は島単位でみるのか、連結された単位で見るのか難しいところです。

PCアプリケーションは1ライセンス単位で判断できそうですが、大量購入の場合否認された例もあるそうです(その後審判または裁判で会社の処理が認容されたらしいです、ちょっと不確実です)。

このように実際の判断に当たってはその都度裁量の余地はそれなりにあるのが実情のようです。

税務は継続性にそれほど頓着しない?

今回別の税理士の方と議論したのですが税務的に問題ない範囲であれば固定資産の判定が年度ごとで違っていても税務当局から指摘されることは無いそうです。例えば税務的に損金計上できる固定資産をある年度で損金処理しある年度では固定資産計上する事は問題とならないようです。

税務的に問題ない範囲の事が税務上問題にならないのは当然といえば当然なのですが会計的には継続性の原則があり同じ会計方針を毎期継続して適用することが求められます(会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準第5項)。税務も確定決算主義をとっているので公正なる会計慣行によった決算に基づく処理が必要とも考えられますが実際の税務行政においては継続性が問題になることは少ないとの事でした。

意外に裁量の範囲は大きい?

固定資産の判定に関して会計は税務基準を会計慣行として認めている事はすでに述べました。その事と税務上の基準も裁量の範囲が大きいこと、税務上継続性があまり重視されないこととあいまって、固定資産は実務上、裁量的な経理自由の範囲が広く認められる余地が大きいのではないかと思います。

もちろん監査の教科書的には、全て裁量が認められているわけではく、社内で合理的なルールを設けてそれに従って処理するのが正解です。ただ全ての支出についてルールを設けられるハズも無く裁量の範囲が大きいところなのは間違いないと思います。

その裁量の範囲で会計的にも税務的にも合理的でなおかつ会社経営者の意思と合致する処理をおこなうのが経理担当者、税理士の腕の見せ所だと思います。

春日渡辺会計事務所は会計・税務のご相談を承ります

春日渡辺会計事務所は文京区の会計士、税理士事務所です。春日渡辺会計事務所では固定資産をはじめとする会計・税務に関するご相談をお受けしております。ご質問、御用のある方はお気軽にご連絡下さい。

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