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Webの話が続きました。たまには会計士、税理士らしい記事も投稿します。

先日日本版IFRSについて記事を投稿しました。IFRS財団評議員会Michel Prada議長が各国のIFRSに対する姿勢について会計監査ジャーナル2013年8月号に紙上座談会で話した記事を読む機会がありましたので1年近く前の情報ですがご紹介します。

EUのエンドースメントアプローチは重要な問題ではない?

Prada氏は「国家主権の観点から、欧州の利益を害すると判断されることが起きた場合は、重要な「遮断機」としてエンドースメン卜・プロセスを有するという原則を留保した」とし、しかし「カーブアウトが使われたのは1度だけで、欧州に認められた大きな例外とみられていますが、この大きな例外は実際にはなきに等しい」だからエンドースメントの影響(原文では重要性)は最小限である、と言っています。

またIFRS財団広報国際担当Byatt氏は「ほとんどの国がエンドースメン卜の仕組みを設けているのは、主権を「遮断器」として、国際機関が国内法を設定するという状況を回避するためです。私たちは基準を作成しますがエンドースメントの仕組みがあることで、各主権国はその基準をアドプションするか否かを自ら決定することができます。私たちがいい仕事をして、幅広く意見聴取し、すべての地域の見解を考慮に入れたならば、エンドースメン卜の仕組みはほとんど形式だけのものとなる」とも言っています。

解ったような解らないような言い方ですが、EUのエンドースメントアプローチは国家主権の問題をクリアするための方便で実質的にはアダプションと同じだった、と言いたいのだろうと理解しました。

IAS1.16との関係は?

前回の記事でも触れましたがIAS1.16に「財務諸表がIFRSのすべての定めに準拠していない限り、企業は当該財務諸表がIFRSに準拠していると記載してはなりません。」とあります。文字通り解釈すればカーブアウトした時点でIFRS非準拠となります。

Prada氏が「欧州に認められた大きな例外」と言っているのはこの事だろうと思われます。でもこれは重要じゃない、だから実質的にはエンドースメントではなくアダプションと同じ事だと。

実際EUでのエンドースメントが本当に重要でないかどうかまで判断する材料は無いのですが率直に言って苦しい言い分だと思います。

再び、日本版IFRSはIFRSか?

Prada氏が苦しい言い分でEUはアダプションと言っていますが、「米国が同様の措置を求めるのは理解できます」とも言っています。その後でそれは無意味としていますが実際問題日本も日本版IFRSを作ると言っています。日本版IFRSがPrada氏の言う実質的にアダプションしたのと同じと認められるかは解りませんが、Prada氏の言う「日本が国際的なビジネスと国際市場にコミットしているなら、IFRSに移行するのが自然な流れ」とは違う方向の話でしょう。

やっぱり日本版IFRSはうまくいかない?

前回の投稿では特にエンドースメントとIAS1.16との関係が腑に落ちなかったのですが、国際的なルール作りにありがちな過渡期にあるということなのでしょう。先のByatt氏も「コンバージェンスに数多くの異なるアプローチが出てきたということなのではないかと思います」と言っていました。

では日本版IFRSはどうなるでしょうか?私はやっぱり中途半端で使いにくい物になるように思います。すでに基準を満たす企業ではIFRSの任意適用は認められています。敢えてIFRSと認められるかも解らない日本版IFRSを採用するのなら素直にIFRSをフル適用するのが自然だと思います。そこまでIFRSにニーズの無い企業は日本基準を採用するでしょう。

やっぱり商売っ気?

改めて最初の記事はそれほど大きく外してなかったと思います。では日本版IFRSを導入する背景には制度的、経済的な要請というよりIFRSに商売っ気を出したい人がいるのかも知れません。

また議論が進展したらごの場でご紹介したいと思います。

IFRSについてご質問、ご要望がある方は貸すが渡辺会計事務所までお知らせ下さい。

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