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平成26年3月20日に税制関連法案が国会で可決成立しました。成立した法律についてご紹介するべきなのですが。まだ改正間もないため、引き続き税制改正大綱についてご紹介します。大綱からの大きな変更点はないはずです。

納税環境の整備

前回から引続き平成26年度税制改正大綱についてご紹介します。今回は税制改正大綱後半の「追加して決定する事項・納税環境の整備」についてです。

猶予制度の見直し

換価の猶予の特例(申請)の創設

税務署長は、滞納者につき国税を一時に納付することによりその事業の継続又はその生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合において、その者が納税について誠実な意思を有すると認められるときは、その国税の納期限から6月以内にされたその者の申請に基づき、1年以内の期間を限り、換価の猶予をすることができることとする(平成26年度税制改正の大綱P101より)。

とされます。従前は税務署長だけの判断でしたが、改正により「その者の申請に基づき」税務署長が猶予の判断を行う途が創られました。

納税の猶予及び換価の猶予(職権)の見直し

担保の徴取基準が

  • 要担保徴取額の最低限度額を 100 万円(現行:50 万円)に引き上げ
  • 猶予期間が3月以内の場合には担保を不要

と、緩和されました。また、猶予期間中の分割納付が可能となりました

その代わり

  • 猶予該当事実を明らかにする書類、財産目録及び収支の状況等を明らかにする一定の書類を添付
  • 税務署長は、必要があると認める場合には、財産目録及び収支の状況等を明らかにする一定の書類が添付された分割納付計画書の提出
  • 猶予の不許可事由の整備
  • 請求後 20 日以内にこれらの書類について補正又は提出がされなかった場合には、納税の猶予(その猶予期間の延長を含む。)の申請は取り下げたものとみなす。
  • 猶予の取消事由の整備

など納税者側に要求される事項も規定される事になります(平成26年度税制改正の大綱P102~104より)。

税理士制度の見直し

税理士制度について

申告納税制度の円滑かつ適正な運営に資するよう、税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から、(平成26年度税制改正の大綱P104より)

見直しが行われます。一部をご紹介すると

税務代理人がある場合の調査の事前通知について、納税者本人の同意がある場合として税理士法第 30 条の規定による書面にその旨の記載がある場合には、当該納税者への通知に代えて、税務代理人への通知ができる(平成26年度税制改正の大綱P108より)。

とされました。これだけでは分かりにくいですが、税務代理権限証書に、「税務調査の事前通知は納税者に代わって税理士が通知を受ける」旨の記載がある場合には,納税者への通知に代えて,税理士への事前通知のみで足りる事になります。

国税・地方税不服申立制度の見直し

見直しのうち重要と考えられるものとしては

処分に不服がある者は、直接審査請求ができることとする(現行:「異議申立て」と「審査請求」の2段階の不服申立前置)。なお、現行の審査請求に前置する「異議申立て」は「再調査の請求(仮称)」に改める(平成26年度税制改正の大綱P106より)。

となります。納税者は「直接審査請求」を行うか、「再調査の請求」を行うかの選択が可能となります。

その他、不服申立期間がlか月延長。審判所の職権収集資料の閲覧・謄写の請求など、納税者の不服申立に配慮した制度となります。

関税

引続き「追加して決定する事項・関税」について概要をご紹介します。

暫定税率・暫定的減免税制度の延長

平成26年度税制改正の大綱P108,109記載の通り、暫定税率・暫定減免税制度が1年延長となります。

減免税制度の対象拡充

  • 地方独立行政法人が管理する博物館等に陳列する標本等
  • 幼保連携型認定こども園において使用する教育用物品
  • 幼保連携型認定こども園及び小規模保育事業等において使用する給食用脱脂粉乳

が減免措置の対象に加わります。

通関手続の迅速化等

  1. 入国者の輸入貨物(携帯品・別送品)に対する簡易税率については、現行水準(酒類(蒸留酒 300 円/ℓ、その他 200 円/ℓ)、その他の物品 15%)を維持する
  2. 少額輸入貨物に対する簡易税率の適用対象を「10 万円以下の貨物」から「20 万円以下の貨物」に拡大する。

(平成26年度税制改正の大綱P109より)

とされます。

平成26年度税制改正の主要な内容をご紹介しました

追加して決定する事項・納税環境整備及び関税関連の概要をご紹介しました。14記事にわたって平成26年度税制改正の主要な内容について概要をご紹介しました。もともと自分の理解のために始めた企画だったのですが、思いがけず長期間に渡りました。法案成立にはぎりぎり間に合いませんでしたが何とか4月の新年度前に完結させる事ができました。自分で再度読み返してみて忘れてしまっている事も正直ありますが良い勉強になりました。これらの記事が少しでも皆様の理解のお役に立てば幸いです。

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