11/1「消費税率引上げ対策セミナー」に多数のお問合せ・ご出席いただき有難うございました。これからも皆様のお役に立てるよう努めてまいりますのでご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
今回もセミナーのご出席者からいただいたご質問についてご紹介いたします。ちょっと細かい議論です。
賃貸借契約自動更新期限が指定日の場合の経過措置適用判断
今回、不動産賃貸借契約の自動更新期日が平成25年9月30日(指定日前日)の場合、経過措置適用対象となるかご質問を頂きました。
資産の貸付けの税率等に関する経過措置のおさらい
以前の記事でご紹介した通り、
- 平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30 日)までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づく
- 施行日前から引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合
で、いわゆるファイナンスリースを考えないとすると下記の2要件を満たせば経過措置の対象となり、契約継続中は旧税率(5%)を適用します。
- 貸付期間及びその期間中の対価の額が定められている
- 当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがない
自動契約条項がある場合の国税庁Q&A問37の記述と理解
以前の記事では、以下のようにご紹介しました。
更新時期ごとに新たな契約を行っているとして適用関係を判断します。つまり直近の更新時期が平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30 日)までの間であればその他の要件を満たせば経過措置の対象となります(国税庁Q&A問37)。
以前の記事では、更新時期が指定日の前日であれば経過措置の適用対象となるとご紹介しましたが、今回改めてご質問いただいた主旨は、国税庁Q&A問37の「注」で
解約申出期限を経過したときに当事者間の合意、すなわち新たな契約の締結があったものと考えるのが相当ですから、
とあり、契約解約期限が平成25年9月30日の場合、「解約申出期限を経過したとき」は10月1日(指定日)であって、「新たな契約の締結」は指定日当日と読めるが、それでは経過措置の対象とならないのではないか?ということでした。
Q&A問37を読み下す
確かに「経過したとき」といった場合、その翌日と読むこともできます。Q&A問37を読み直してみました。
Q&A問37「注」後段
Q&A問37「注」には先ほど引用の続きがあり
指定日の前日までに解約申出期限が経過して自動継続された契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き貸付けを行う場合には、その自動継続後の貸付けで施行日以後行われるものについてこの経過措置が適用されます。
となっています。
後段では「指定日の前日までに解約申出期限が経過して」とあり、前段の「経過した」と書き振りが変わっています。この「経過して自動継続された」時期というのは解約申出期限と読むと思われます。
国税庁電話相談室に問い合わせてみました
実は国税局電話相談室に質問してみました。電話相談室は
契約解約期限が平成25年9月30日の場合はその他の要件を満たせば経過措置の適用対象となる。
「経過して自動継続された」というのは完了形ではないから…
という趣旨の回答でした。
専門誌も同旨の記載
専門誌の解説でも契約解約期限が平成25年9月30日の場合経過措置の適用対象となる、との記載がありました。総合的に判断すると契約解約期限が平成25年9月30日の場合経過措置の適用対象となると考えて良さそうです。ちょっと混乱しましたが結論は以前の記事の通りで大丈夫だと思います。
Q&A問37の注の前段部分の記述がちょっとあいまいなのかもしれません。後段がより具体的な各論についての記述と考えれてそちらに従うと解すると思われます。
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