皆様の事業に貢献します

9/19「消費税率引上げ対策セミナー」に多数のお問合せ・ご出席いただき有難うございました。これからも皆様のお役に立てるよう努めてまいりますのでご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

今回はセミナーのご出席者からいただいたご質問についてご紹介いたします。

課税売上と課税仕入の税率(工事の請負等の税率に関する経過措置)

同じ工事でも課税売上と課税仕入は個別に判断する

工事の請負等の税率に係る経過措置(改正法附則5条3項)の適用を受けた場合、課税売上は旧税率が適用されるがその工事にかかる課税仕入(下請け工事)は旧税率が適用できるか、というご質問を頂きました。

結論から言うと課税仕入の適用税率は対応する売上の税率とは関係なく課税仕入が経過措置の要件を満たせば旧税率、満たさなければ新税率が適用されます(Q&A問21)。

資金繰りに留意が必要

御質問者が懸念されたのは工事の粗利率が低い場合、売上に旧税率(5%)、仕入(下請け)に新税率(8%)が適用されると逆ザヤが発生するのではないかということでした。

建築通信新聞のこちらの記事によると建築工事の粗利率は大手で5.1%、準大手では0.7%です。中堅・小規模業者の場合これよりまだ低いかもしれません。税込価格ベースで考えるとこのような薄い粗利率の場合新税率5%と旧税率8%のギャップ3%は粗利率の大半を食ってしまうおそれがあります。

消費税の趣旨からすると消費税を負担するのは消費者であり、税抜価格が同じであれば税率にギャップがあっても事業者の負担は無いのですが、納税は確定申告後となりますので資金繰りでは一時的に支出超過となります。例えば

  • 課税売上1億円(税抜)
  • 課税仕入9千8百万円(税抜)

の場合、課税売上と課税仕入の適用税率が共に8%の場合と課税売上の税率5%、課税仕入の税率8%の場合を比較すると以下のように売上が5%の下段では税込価格ベースでは赤字になってしまいます。

そのかわり消費税の納税額は上段では16万円の納付なのに対し下段では284万円の還付になって納税まで含めると上段と下段で差はなくなります。

税率 売上(税込) 仕入(税込) 粗利(税込) 消費税納税額
共に8% 1億8百万円 1億584万円 216百万円 16万円納税
売上5%仕入8% 1億5百万円 1億584万円 ▲84万円赤字 284万円還付
差額 3百万円 0百万円 3百万円 3百万円

とは言うものの下段では売上時点では84万円支出超過になってしまいます。経過措置の適用を受けることによる資金繰りについては影響を検討する必要はありそうです。

下請け工事も経過措置の適用要件を満たせないか検討する

もうひとつのアプローチとしては税率を一致させるため下請け工事契約も経過措置の要件を満たすようにする事です。

ただすでに9月に入ってしまっていますので10/1の指定日が迫っています。また下請け事業者に対する発注のタイミングは工事の工程管理の根本にかかわるものであり、消費税対応だけでこれまでと大きく時期をずらすのは難しい場合も考えられます。

下請け業者への値引き交渉は慎重に

そうなると下請け業者に値引きによって逆ザヤを解消する誘惑にかられますが、「消費税転嫁対策特別措置法」や「下請法」などの関係する諸法律に抵触しないかを慎重に見極める必要があると考えられます。

次回は工事進行基準の経過措置についての質疑をご紹介します

長くなりましたので今回の記事での質疑のご紹介はここまでにします。次回も引き続き「消費税率引上げ対策セミナー」の質疑をご紹介する予定です。次回は工事進行基準の経過措置についてです。

春日渡辺会計事務所は消費税率引上げに伴うご相談を承ります

春日渡辺会計事務所は文京区の会計士、税理士事務所です。春日渡辺会計事務所では消費税率引上げを始めとする会計・税務に関するご相談をお受けしております。疑問点、御用のある方はお気軽にご連絡下さい。

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